退職について伝えてほっとしたのもつかの間、一週間後に人事担当から淡々と送られてきた誓約書。見れば見るほど怖いことが書いてある。

何!?脅し!?
と、思いながらも転職はせずに退職する気満々だった私は

まいっか
と、あっさりサインした私。退職して半年経って、同時期に退職した先輩に聞くと

あんなんスルーに決まってるじゃん
そんな選択肢あり!?とびっくりしたわけですが、ネットで調べると「サインしなくても良い」という意見が主流のよう。身の回りでの調査結果やその後の私と先輩の会社との関わり方なども少し記録したいと思います。どうしたらいいか迷っている人達の参考になればと幸いです。
誓約書のポイントは主に転職先、特にメーカーは研究内容に重き

私は、これまで3回会社を退職する機会がありました。メーカーでは特に製造ノウハウなど企業秘密に関することを知るケースがたくさんあり、秘密保持に関しては在職中から徹底して守るようにしてきました。毎回必ずこの手の書類に特に考えずにサインしてきました。でもよく見ると結構怖いことが書いてあります。
- 秘密事項情報は書面による許可なく使用しない
- 書面やデータの秘密情報はすべて会社に置いていく
- 退職後1年間は承諾を得ずに、製品や研究分野が競合する同業他社に就職・起業しない
- 損害を与えた場合、一切の損害を賠償する

2つ目まではいいけど、転職先と賠償はドキドキしてしまう
転職先の制限については、具体的に書かれているほど要注意
競合の範囲って特定が難しい。自分のキャリアを活かして転職した場合は、広い意味では何らかの形で競合になることも多く、大企業であれば、隣の部署が競合なんてことも。だがしかし、
職業選択の自由は法律で担保されている!
そのため、一切競合他社に転職しない、等範囲が広いと裁判で否定されるケースもあるようです。「1年以内に」とか、「〇〇の製品の」とか、「承諾なしに」等具体的な制限つきで書いてある場合ほど有効性が高く要注意。なようです。

悪いことするつもりなんて1ミリもないのに、なんでやめた会社の承諾を取らねばならんのだ!
120万円の損害賠償の事例もあり
さすがに、損害賠償なんてないでしょ?と思ったところ、転職先から自分の元顧客に販売をして120万円の損害賠償の判決が出た事例もあるようです。
関連リンク>>「ダイオーズサービシーズ事件」

営業はわかりやすい。知財なども、似たよう〜な技術でも、「この特許は弊社の技術だ!」と言い張られたしそう。
断るなんて従順すぎて考えてもしなかったけど、結構怖い書類にサインしちゃってたんだな。と改めて。
サインしてしまった場合は正攻法で
サインしてしまった場合は、約束したとおりに対応するしかなさそうです。私のケースでは、
- 1年以上先に転職する
- (関係性が良いのであれば)事前の承諾を得る
- 転職先に相談して、少なくとも表から見える成果を残さない担当に変えてもらう

実際私はすぐに正社員になることはなさそうなので大丈夫
身の回りではサインした人が半数超

気になったので、私の身の回りで聞いて回ってみたところ….サインした人とサインしなかった人で半数程度、でも特にラボではサインした人が圧倒的に多かったです。

営業とか法務周りに詳しい人ほどサインしていなかった….!
サインしてくださいと言われて、「嫌です」ってのも中々勇気が必要ですよね。実際にサインせずに去っていた猛者達が口を揃えて言うのは

サインする義務はない
ということ。確かにそうなんですが、

私は断る勇気がありません。。
サインすることのメリットとデメリット
サインした私も、サインしなかった先輩も前職の人たちとは飲みに行ったり、特にギクシャクせずに過ごしていますが、あえてメリット・デメリットをまとめてみました。
誓約書に… | メリット | デメリット |
---|---|---|
サインする! | 前職の人と良好な関係キープ 退職ストレスなし | 賠償リスクに備えて行動する必要あり |
サイン拒否! | 損害賠償のリスクなし | 退職時に戦う必要あり(?) 前職の人から警戒されるかも |
私は1年以内に正社員就職する予定がないので、結果的にサインをしても問題ありませんでしたが、転職先で営業や特許を書くなど、自分が表に出る仕事をする場合はサインをしないほうが無難というのが教科書的な答えになりそうです。
結論、誠意を持って対応すればどっちでも大丈夫かな
とはいえ、退職時に揉めたくもないもの。前職だっていつまた関わりがあるかもわからず、良好な関係をキープしておくに越したことはありません。
サインしないのが一番無難ではありますが、サインしてしまった場合も、誠意を持って対応すれば問題になる可能性は低いので、契約通り、事前に前職に承諾を取るなり、転職先の法務に相談して配慮してもらうなりして対応していくことも十分可能だと思います。

転職社の多い外資系メーカーにいましたが、エンジニアたちはほぼサイン。問題になっているケースを見聞きしたことはありません。
最後は個人的な意見になってしまいましたが、みなさんの職種や仕事内容に照らしてご検討してみてくださいね。
少しでも参考になったようであれば嬉しいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。